品性:努力によって培われるもの
問
美術的なことが好きで日常生活の中でも少し関わりを持っていますが、美術、芸術、音楽等々、いろいろと人の手によって作られた作品(もの)には、品性が大切だなと痛感するのですが、この品性というものは生まれ持ったものなのでしょうか。 日々の努力により培われるものなのでしょうか。 品ということについてお教え頂きたくお願い致します。答
生まれながらの品というのは当然ある。 俗に、血とか生まれと呼ばれるものである。 血統毛並が良いのである。 それは、要するに、その両親がそのような人であったことを意味する。 その結果として、そのように幼児の頃より教育されてきたから、その人に品性がそなわっているわけである。 品性に欠落した親を持つ子に、優れた芸術性は期待できない。 たとえ、貧乏人と雖も、その親が美的センスに富んだ人であったならば、子も必ずやそうなるものである。 その意味で、品位ある親に育てられた人は、そうでない人と比べたときに、品性については優位の立場にあることになる。 しかし、そういう人は、今度は、芸術に必要な大胆さといったものに欠ける傾向があって、それぞれ一長一短を示すものである。 その両方を身につけることはなかなか難しいものである。 とりあえず、あなたがこれから品性を培いたいと望むのであるならば、そうすることである。 まずは、その心を少しだけでも変えてみることだ。 即ち、美麗なるものに心惹かれ、その幽玄の世界にひたりきる習慣を身につけることである。 日常の雑事に追われている者に、この品性は培い難い。 次に、品のある衣服を身につけることも大切だ。 部屋は常に綺麗に片付けられ、花が飾られない時がない。 日に一度は、流麗優雅な音楽に一時を忘れることを忘れてはならない。 食事は音を立てず、静かに、ゆったりと食す。 歩く時は楚楚として、決して荒々しさがあってはならない。 眼と唇は常に微笑をたたえ、すずしげである。 といったところを、一つずつ習得していくことである。 がさつに育った人間にとって、こんなことは死ぬほどに辛いが、身についた暁には、あなたの霊性も高まっていることは確かである。