昔の日本人:転生してくるも現代に流される

先生のお話の中で「昔の日本人は良かった。今の日本人は駄目になった」ということをよくお聞きします。昔の日本人も今どこかに転生していると思うのですが、その良かった日本人が今どうなっているのか不思議に思っております。昔の良い日本人のままで現代に生きているのでしょうか。それとも環境の悪化に影響されて駄目になってしまったのでしょうか。宜しく御教授の程お願い致します。

昔の日本人といっても、果たしてどこまでの日本人が、本当によかったのかと、問われると、確かだとは言えなくなる。
それでも、多くの古い資料に目を通し、専門家の話に耳を傾ける限りにおいて、やはり、明治以前の日本人たちの方が、私は魅力を感じるのである。
その魅力とは、自分に厳しかったという一点である。
また、礼儀にもうるさかったことも素晴らしい。

さて質問に答えよう。
確かに、多くの日本人が転生して現代人になっている。
ではその良き日本人はどこにいるのか。
あなたとなって転生しているのである。

だが、哲学をもった武家教育を受けた者たちは、現代に転生しても、正しい道に目覚めるのであるが、当時の町人や農民ら一般大衆はそうはいかない。
前世において魂に染み入るだけの教育を受けていないために、転生することで、現代の価値基準に完全に押し流されてしまっているのである。
悲しいかな彼らの方が、サムライたちよりも圧倒的な数なのである。

社会というのは、必ずピラミッド型のヒエラルキー(階級)を形成しているのであるが、平等主義社会にあっては、これがかなり破壊されることになる。
その結果として、個の確立が要求されるのだが、実態は単なる我侭の確立だけが醸成され、慢心者となってしまう。
つまり、誰も彼もが一国一城の主となって、協調性を失ない、また自己犠牲を喪失してしまうのである。
これでは、いくら多少なりましな時代から、人が転生してきたところで、彼らは、新たな価値観に染まるだけで、決して自己責任をもった自己の確立までには到らないのである。

要は、社会全体の教育システムが改善されなければ不可能ということだ。

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